Tanuki_Bayashin’s diary

電子工作を趣味としています。最近はラズベリーパイPicoというマイコンを使って楽しんでいます

温風ファンに人感センサーを組み込んでみた

今回の案件は、販売されている製品を改造しています。製品としての補償が受けられなくなるだけでなく、場合によっては財産の損失や生命の危険につながる可能性を持ち合わせています。

このような改造を行ってはおりますが、同様のことを推奨しておりません。万が一の場合、一切の補償も責任も取れないことをご承知おき下さい。


あくまで一つの事案として、お受け止めください。

目次

1.はじめに

2021年6月に同じ温風ファンにコントローラを外付けし、人が近づくと温風ファンが作動し始める回路をご紹介しました。
今回はその続編で、テーマは小型化です。(そのため制御に関しては簡便に済ませました)
以下に製作過程を記していきたいと思います。

前回の記事:
tanuki-bayashin.hatenablog.com

図1 改造した温風ファン

2.回路と動作の仕組みについて

2.1 回路について

図2 回路図

図2に回路図を示します。図中、左側と右上の部分に点線の枠で囲まれた部分がありますが、温風ファンの内部の回路を示しています。

回路図を描く都合で左右に分けました。
左側の温風ファンの内部では、電源コードから電源スイッチと、温風ファンが横転したときなどに自動で回路を切るための押しボタンスイッチに直列につながっています。
そこからコードを外に出し、製作した基板に接続しています。

製作した基板では、制御部と動力部に分かれます。制御部ではまず、AC100VからDC5Vを作る電源ユニット(※1)につながり、そこから人感センサー(※2)の電源につながっています。

さらに人感センサーの出力から5Vで駆動するリレーにつながり、人感センサーのON/OFFする信号で温風ファンのON/OFFを制御しています。(リレーには安全のためフライホイールダイオードを接続してあります)


※1 電源ユニット(ご参考:本回路で使ったものと同一のものではないようです)
5V 700mA AC-DC降圧モジュール

※2 人感センサー(ご参考:本回路で使ったものと同一のものではないようです)
Amazon.co.jp: VKLSVAN 3個セット HC-SR501人体赤外線感応モジュール 検出器PIRモーションセンサースイッチモジュール : 産業・研究開発用品


温風ファンのパート2である右側の点線枠の部分は、左の点線の枠からくるスイッチ2個を通った電源のコードから、そのままヒーターとファンへとつながります。

その戻りの配線からは、製作した基板に端子台を介して中に入り、3Aのヒューズとリレーの接点の部分を通り、基板の外へ抜け、そこから温風ファンの左側の枠の回路へと続き、電源である100V の接地側に戻って行っています。

回路全体としては、電源が入った状態では、人が近づくと(あるいは熱を持った何かしらかが近づくと)、人感センサが反応してリレーを駆動し、温風ファンが動作を始めるといった具合です。

2.2 気を付けたことや前回の作品との違いについて

設計で気を付けたこととしては、各パーツの選定時に温風ファンの電圧値や電流値などの定格に適合するようにしたことと、電線の許容電流を温風ファンの定格値に十分見合うものを選んだところです。

コードを切断した後、分岐した電線をつなげる辺りでは、圧着端子でつなげ、ビニールテープで絶縁しました。

前回の作品との違いは、制御の部分で人感センサーモジュールしか使っていない点ですが、今回使った人感センサーは、出力がオンの間でも手をかざすなどすると、そこから再び設定した時間の間、出力信号がオンとなっていてくれることです。(前回の作品では設定した時間が来ると、出力はオフとなってしまっていました)

そのため、温風が出ている間に人感センサーの辺りで手をかざすなどすると、温風が出続けるという利点があります。

これは今回使用した人感センサーの仕様の都合かとは思いますが、思わぬところで改善が図られました。

2.3 今後の課題など

今後の課題としては、

  • 人感センサーではなく、距離センサーのみで温風ファンのON/OFFをしてみる
  • 温度センサーを取り付ける

が挙げられます

距離センサーの場合、温風ファンに何かが近づくとセンサーが反応するので、オンとオフの切り替えがもっとシビアにすることができるだろうと予想されます。

また、温度センサーに関しては、温風ファンの場合、周りの温度が十分暖かいときは温風はなくてもいいのではないかと思うので、
そうした場合に回路を組むなどして、温風ファンが動作しないようにできるのではと思った次第です。

冬でも暖かい日はたまにあるので、そのような機能があると電気代の節約にもつながるのではないかと思いました。

以下に温風ファンの製作時の画像をお見せします。

図3 製作した基板(左) 温風ファンの中身(改造前)(右)
図4 改造中
図5 完成品(左) 回路の様子(右)

3.動画

改造した温風ファンの様子を動画で示します。

見やすいように、動作時間を最小にしています。近づくと動作を開始します。
けれどもしばらくすると、止まってしまいます。
(トイレに設置していますが、動作する時間は1分ほどに設定しています)

そのため、センサーが認識するように、止まる前に動きを入れる必要があります。
トイレに設置する場合だと、動きが止まらないように手をかざすといいかも知れないです。
(ある程度は自然に動いていて、動きは止まりにくいようにも思いますが)


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お伝えしたいことは以上です。