※なにか気になる点がありましたらコメント欄からお伝えください。また、工作や回路を製作する場合には、はんだ付けや細かい作業などに対して、細心の注意を払われるようお願いいたします。
目次
1.はじめに
クリスマスツリー(卓上サイズ)を作りました。製作のメインはLEDのイルミネーションです。単色のLEDですが、ぼんやり光って、ぼんやり消えてゆくように調節しました。
前回の記事では、ツリーの本体の部分と、LEDを本体に取り付けるあたりを取り上げました。
今回は、電子回路の中身と組み立てに関して取り上げます。マイコンを使用しているのですが、内部のプログラムについては次回の記事で扱います。
2.回路について
図2ー1に回路図を示します。2021年1月に発売され、マイクロコントローラとして知られるRaspberry Pi Pico(ラズベリーパイピコ:以下Picoと記載)を使いました。ぼんやり明るくしたり、暗くするのにPicoの機能であるPWM機能が使えると思ったからです。PWMについては次のプログラムに関する記事で取り上げます。
ただし、Picoの初期設定や基本的な使い方などはここでは触れません。検索等で調べて頂ければと思います。販売元であるラズベリーパイ財団のリンクを張っておきます。
ラズベリーパイPicoに関して(翻訳を使えば日本語で読めます)
www.raspberrypi.com
※実は回路図と実際の配線で違うところがあり、回路図ではLEDとPicoを接続する部分に、コネクタがありません。この部分はコネクタを利用していると読み取っていただけるとありがたいです。
回路について説明します。電源はリチウム電池を使いました。CR123Aというものでした(LEDによる点滅は2日ばかり連続運転可能でした)。Picoは39番の端子に+1.8~5.5Vの電圧を加えると動作が始まります。CR123Aは3Vだったので条件を満たしています。
(CR123A用の充電器とうたったものが売られており、購入して充電もしましたが、調べたところCR123Aはアルカリ(2022/01/03訂正)リチウム電池であり、1次電池でした。火災の危険もあるとのことだったので、充電はもうしないことにします。充電可能なアルカリイオン電池と、それ専用の充電器をそろえたら、それらが使えるように改造したいと思います)
トグルスイッチを電源用に設け、抵抗とLED1個をパイロットランプとしました。また、電源からの雑音低減のため、0.1μFの積層セラミックコンデンサと470μFの電解コンデンサを並列に取り付けました。
Picoまわりの接続に関しては、一応すべてのGNDの端子をGND線でつなぎました。その方が動作が安定するかと思ってのことですが、おそらくそれらは、Pico内部でつながっているはずなので、最低1つGNDにつながっていれば動作はするかと思います。
最後に、PicoのGP14~GP21(物理的には19~22,24~27ピン)のそれぞれにLEDと抵抗(1KΩ)につなぎました。ただし、今回はクリスマスツリーの星のところのだけ、ICチップ入りのフルカラーLEDを用いました(GP19、25番ピン:ここだけ抵抗は33Ωです)。約3Vの電源をつなぐと、自動的に色が変化するタイプのLEDです。
趣味の問題なので、こうしなくてはいけない、ということではありません。あるいは、難しい制御がいらないのであれば、全部のLEDをフルカラーLEDにしてもいいいのではとも思います。
3.回路の製作
取り付けるものとしては、
- ピンヘッダ(20×1 2個) Picoに取り付ける
- 電池ボックス
- コネクタ(10×1)(アノード側8か所、カソード側GND1か所、空き1か所)
- ピンソケット(20×1 2個 ラズベリーパイPico用)
- 抵抗 1KΩを7個と33Ω1個(LED保護用)
- トグルsw、LED(パイロットランプ用)、抵抗、コンデンサ2種
- 取付用の六角ジョイントなど
- 配線用電線
となります。ただし、今回は5.の抵抗は4章で触れますが、ツリーの裏側にて配線しました。こちらの基板側に取り付けるべきでした。(トータルでLEDの保護抵抗のみの基板と3章で示す回路からなる基板の2枚あります)
ところで、部品の配置や配線は直角(縦、横)を意識して行うときれいに見えます。誤配線も見つけやすくなるかと思いますのでお勧めです。ただし、デザインなどで考えがあればその限りではありません。(高周波回路の場合も導線が直角で曲がると、反射する恐れがあるのでお勧めできません。2022/01/03加筆)
怪我などしないように注意して、基板を組み立てます。コネクタの組み立てや配線は、番号を振り、紙に書くなどして行うと間違いが減るかと思います。
4.LEDどうしを配線する
クリスマスツリーの裏側でLEDの配線を行います。この時点で、どのように配線をするかをしっかり考えておくといいでしょう。筆者は「つながればいいや」といった感じで作業を進めてしまい、後になってやり直すのも難しい状況に陥ってしまいました。
プラス(A:アノード)側からでもマイナス(K:カソード)側からでも好きな方から接続していけばいいと思います。
アノード側の電線にはコネクタ接続用の端子を取り付け、10×1のコネクタにまとめました。端子の取り付けには専用の工具が必要です。コネクタを使うと配線がきれいになりますが、専用の工具を他に使う機会がないのであれば、基板に直接はんだ付けしても構わないかと思います。
カソード側の電線を束ね、1つの電線にまとめます。筆者はLEDからの電線(カソード側)を基板に取り付け、抵抗を通してから1本の電線に取り付けました(発光ダイオードと抵抗の取り付け方を回路図と反対にしてしまいました)。
アノード側でもカソード側でも、電線とつなぐ部分は熱収縮チューブを用いて絶縁処理した方がいいです。熱収縮チューブを挿入し、電線をはんだ付けした後、熱収縮チューブをはんだ付けしたところにかぶせ、ドライヤーなどで熱します。チューブが収縮しずれないようになります。
※電線は束線バンドでまとめました。
LEDの足の部分の上に、両面テープを張り付けた小さめの段ボールをかぶせ、反対側にも両面テープを張り、その上にLEDの保護抵抗をまとめた基板を乗せました。絶縁をとるためです(念のため)。
LEDまわりの配線は以上です。
5.全体の組み立て
基板の組み立てとLEDまわりの配線が終われば、いよいよ全体の組み立てです。
まず、3章で組み立てた基板を、4章で組み立てた基板の上に合わせ取り付けます(本来なら2枚の基板は1枚で済みます)。筆者はホットボンドを用いました(図5-1)
(写真では電池を付けた状態ですが、本来ならはずした状態で作業を行うべきでした。不適切でした)
次に立てて飾るようにしたかったので、そのための底面に当たるものを取り付けました(図5-2)。側面にも段ボールを切り、取り付けました。この状態だとスペースがあるため、PicoにmicroUSBを取り付けられるので便利です(PCとつなぎプログラムを書き込むために必要)。
図5-3が底面を取り付けた状態です。底面は少し後ろに伸ばし、重りになるものがおけるようにしました。
そして、最後の飾りつけです。モールと脱脂綿とリボンを取り付けました。全部100均でそろえました(図5-4 だいぶ余りました)。これにて、本体や基板、飾りつけの部分は完成です。
次の記事ではPicoのコーディングについて解説していきます(LEDの明滅に関する部分です)。
今回はここまでです。