Tanuki_Bayashin’s diary

電子工作を趣味としています。最近はラズベリーパイPicoというマイコンを使って楽しんでいます

万能調光器キットを組み立ててみた

※なにか気になる点がありましたらコメント欄にご記入ください。また、工作や回路を製作する場合には、細かい作業などに対して、細心の注意を払われるようお願いいたします。

目次

1.はじめに

 はんだごての温度を調節する必要が生じたため、株式会社秋月電子通商(以下 ”秋月電子” と記述します)の「トライアック万能調光器キット(20Aタイプ)」(K-00098)なるものを購入し、組み立てました。
ここでは、その製作過程や動作する映像などをご紹介します。
(キットの名称からも分かる通り、この装置は電流を最大20Aまで流すことができます。ただそのためには電気に関する知識が必要になってきます)

秋月電子通商のHP
・トライアックは下記リンク先の検索欄に「K-00098」と入力して、調べてください。(秋月電子通商の意向により)
(2023/10/04 訂正)
akizukidenshi.com
※はんだごてやAC100V を取り扱います。製作時、あるいは使用時には火傷、焼損、感電、発火等に十分お気を付けください

写真1 動作している様子

2.装置の動作と説明図について

 完成した作品を写真2に示します。この装置はAC100Vを電源とし、コンセントにつながれた電気器具の電力を、ボリュームを回すことにより調節することができます。
部品などの選定も煩わしいと思い、今回は手間を省く意味からもキット商品を組み上げました。

写真2 完成した作品

 部品や回路、プリント基板のパターンなどは秋月電子による組み立てキットの説明書に詳しく書かれています。秋月電子のHPよりそのPDFファイルが公開されています。(1.はじめに のリンク先からたどることができます。2023/10/04訂正)
回路図、動作原理、取り扱い時の注意なども丁寧に記述されています。

3.製作過程

 説明書にある通り、まずはプリント基板へ部品をはんだ付けし、その後、以下のように作業を進めました。(書き記す必要のない部分もあるかと思います)

(1)筆者は下の図にあるように(赤く示した部分)、スイッチ赤色LEDを付け加えました。

説明書内に描かれている配線図(引用)

(2)使用するときの電流1A 以下(100W以下)と設定したので、上の図内のヒューズは1Aとしました。(したがって1A流すとヒューズは所定の時間経過後、溶断します注:調べたら定格までは溶断しないように設計されていることが確認されました。投稿直後に発覚するとは恥ずかしい限りです(2023/01/14))

(3)(2)にあるように電流値は使用する電流値は1A以下なので説明書では特に必要はなかったのですが、放熱器を使いました。放熱シートシリコングリスも使用しました。(秋月電子より購入)
 【P-05049】 放熱器(ヒートシンク)25×24×17mm
 【P-02687】 放熱シート(シリコンラバーシート) TO-220用(10個入)
 (シリコングリスは何年か前に購入したものです。ひんぱんに使うことがなければ購入するのは少量でいいと思います)

(4)ケースは以下のものを使用し、必要に応じて穴あけ加工をしました。(秋月電子より購入)
 【P-00278】 ABS樹脂ケース(蝶番式・大) 112-TM-ABS

(5)電源コードコンセント
 以前購入したものを加工し、使用しました(100V15A)。ケースの挿入口には絶縁ブッシュを使用しました。
基板との接続は基板に取り付けられるサイズの端子台を使用しました。強めに引いても抜けなかったです。

(6)ラベルは無地のシール(ダイソーにて購入)にPCにて文字を印字して使用しました。VRの目盛りはエクセルを使用し、円グラフを描くことにより(一部を円弧により隠した)制作しました。
※可動範囲は目盛りの幅が10°ずつになる円グラフを作成し、現物と合わせることで測りました。(恥ずかしい)

図1 ケースに張り付けたシールの図柄(右下の円グラフでVRの可動域を調べた)

(7)最後に底面にゴム足を貼り付けました。近所のホームセンターにて購入しました(シールで貼り付けるタイプ)。

4.電流値を大きくしたいとき

 使用する電流値を大きくする場合は以下の2点に気を付ける必要があります。

  • 電電の太さ
  • トライアックを取り付ける放熱器の大きさ
図2 電線の太さ(AWG)と許容電流

図2の表を見ると、20Aを流せる電線はAWG15くらいが丁度よさそうです。(AWG16はギリギリ過ぎるように思います)
単芯線であれば1.6mmのものが定格通りで適しています。

秋月電子のPDFより引用

    図3 電流値ごとの放熱器を選ぶ目安(秋月電子のPDFファイルより:前出)

また放熱器のほうは、図3によると30Wのものが適切であることが分かります。

筆者は試作していないので適切な指針を示すことができませんが、参考になればと思います。

5.動画

最後に実際に動かしているときの動画を載せます。
初めて電源を入れたときは必要以上に慎重に行いました。中身をいじる必要が出たときには、必ずAC100Vの電源プラグはコンセントから引き抜いたりしていました。
うまく動いてよかったです。

youtu.be

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。