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【目次】
1.はじめに
学生時代 Slotine と言う人の論文を読み(読まされ?)、以下のような関係式に出会いました。
これは、力学に出てくる運動方程式、
のなかの行列 (慣性行列) と (遠心力、コリオリ力に関する行列)の間の関係式です。
今回は、今自分が取り組んでいる倒立振子の運動方程式がこの関係式を満たしていることを示したいと思います。
(この式の一般的な証明は、ラグランジュ方程式が出てくるような力学の教科書に出てくると思います)
ご参考:”On the Adaptive Control of Robot Manipulators Jean-Jacques E. Slotine Weiping Li ”
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/027836498700600303
登録が必要なようです。
2.倒立振子の運動方程式
まず運動方程式を以下に示します。
であることが導かれています。(トランジスタ技術2019年7月号)
そうすると、
となるので、
この行列は歪対象行列の条件を満たしています。(付録参照)
付録
一般に(1)式のような行列を歪(わい)対象行列(skew symmetric matrix)と言います。
すなわち、
と言った行列のことです。
このとき、行列 には以下の性質があります。
このことにより、式(1)に出てくる行列の二次形式は0になることが分かります。
このことをうまく利用すると、式(2)で表されるロボットなどを制御するとき、慣性行列 の逆行列を計算することなく、入力 を求めることができる制御測を導くことができるのだそうです。
(1980年代後半には知られていました)
以上