※なにか気になる点がありましたらコメント欄にご記入ください。また、工作や回路を製作する場合には、細かい作業などに対して、細心の注意を払われるようお願いいたします。
1.はじめに
このところ買い物に熱が入り、3Dプリンターやデジタルオシロスコープなどを購入しました。それらの取扱説明書を見てみると、どちらもアース線が必要とのことでした。筆者の家は造りが古く、コンセントには接地線が施されていませんでした。
また、この時期、オシロスコープとプローブに関する冊子に目を通したのですが、オシロスコープを安全に扱うにはなによりも接地が大事だと書かれていたので、それではと思い、接地工事を行うことに考えが及びました。
接地極と接地線の接続などの接地工事には電気工事士の資格が必要です。運よく筆者は2年前に第2種電気工事士の資格を取っていました。
※今回は接地極の敷設と接地抵抗の測定までです。アース線の配線まで行ってはいるのですが、アース線を地中に埋めたときに塩化ビニールの水道管を使用してしまいました。
念のためにと思いChatGPTで確認したところ、塩ビ管は電線管には適切でないことが分かりました。
(検索してネット上でも確認しました)
現在適切な施工法を調べているところです。無事に工事が終了したら続きを記述したいと思います。乞うご期待。(汗)
2.接地工事について
接地工事にはA種接地工事から順にD種接地工事まであります。(詳しい説明は省略します。以下のリンクを参照してください)
今回行うのはD種接地工事になります。
D種接地工事の場合、接地抵抗の値は100Ω以下です。しかし、電流動作型で定格感度電流100mA以下、0.5秒以下で動作する漏電遮断器が設置されている場合は500Ω以下と緩和されます。
写真3は筆者の家の分電盤を撮影したものですが、この漏電遮断器の場合、定格感度電流は30mA、最大動作時間は0.1秒と見てとれるので、十分接地抵抗は500Ω以下でよいことがわかります。
また今回は簡易接地抵抗計を使用して接地抵抗を測定しました(写真4)。一般の接地抵抗計を使うには直線距離で20m離れた地点で、3本の測定用の電極を地面に設置する必要があるのですが、それが難しい場合は簡易接地抵抗計を使用してもいいらしいです。
詳細は実はよく分かっていないのですが、実際筆者宅では電極を敷設するだけの十分な敷地がないため、簡易版に頼ることにしました。(接地抵抗計の費用も考慮に入れています。汗)
3.実際の工事の内容
3.1 使用した計測器やアース棒
以下に使用した計測器とアース棒を載せておきます。
① 共立電気計器 (KYORITSU) デジタル簡易接地抵抗計 Bluetooth Smart搭載 KEW 4300BT
④ エスコ アース棒 W型 600mm EA940AS-72
(参考)引き回しに使用したアース線は、近くのホームセンターで購入した1.25㎟の接地用コードを使用しました。電線同士の接続にはリングスリーブの小を使いました。絶縁処理としてビニールテープを巻きました。
3.2 接地工事
(a) 接地極の敷設
初め、③の30cmのアース棒を庭の地中に埋め、①の簡易接地抵抗計を用いて接地抵抗を測定しました。
(その前に安全のため、N側が写真のコンセントの左側であることを確認しました。写真10)
配線はコンセントのN側に簡易接地抵抗計の先端部分を刺し、敷設したアース線に緑のワニ口クリップを取り付けます。
すると、地電圧は0.0V、接地抵抗は924Ωでした。(接地線を伸ばし、1Fの居間にてコンセントのN側に接続しながら測定した)
※ここで地電圧とは、接地したコードとコンセントのN側の間の電圧です。(簡易)接地抵抗器の使用法に関しては以下のリンクをご覧ください。
(10V未満であれば接地抵抗を測定できます)
https://www.kew-ltd.co.jp/files/jp/manual/4300_4300BT_IM_92-2042G_J_L.pdf
※ちなみに簡易接地抵抗計の先端がL側(活線側)に刺してある場合は、そのときの電圧が測定されます。
(通常であれば100V。30V以上だとこの抵抗計の場合、警告表示されます)
仕方なく④の60cmのアース棒を購入し、届いてから続きを行いました。
昔、知識もなく行った接地工事の名残りの接地線が2階まで伸びていたので、接地抵抗を測定したところ、測定限界を超えてしまっていました。
(今回の工事までこの線はどこにもつないでいない状態だったので、大目に見て許してください。泣き)
60cmのアース棒を埋め込んで、そのままにしておいた30cmのアース棒の導線と並列につなぎ、接地用のコードにつなぎ直して、再度接地抵抗を測定しました。
その結果、1Fでは319Ωでした。
また2Fに伸びている接地線が1Fまで生きていたので(Φ2.0mmの単芯線を使用しており、被覆をむくときれいな銅線が見えました)、そこをカットし今回のアース線とつなげてみました。
(現在は資格があるので、大丈夫ですよ?)
2Fの接地線でも接地抵抗を測定したところ、303Ωでした。
つまり、500オーム以下なので、接地極は安全に敷設できました。
(b) 接地線を地中に埋める
接地極を埋めたところから2Fの接地線が伸びるところまでは、2mばかり離れています。
そしてそこには、雑草除けのための砂利石が敷かれています。ここに接地のコードを直に置くわけにもいかないので、接地線を地中に埋めなくてはいけなくなりました。
筆者が考えたところ、電線管として水道管用の塩ビのパイプにすることにしました。
と、ここでストップがかかりました。冒頭でもお伝えしたとおり、電線管として水道管は適切でないことが分かりました。不適切な内容を載せるわけにもいかないので、ここで今回の記事は終わりとします。
工事後に続編を投稿したいと思います。ごめんなさい。m(__)m
と言っても、少しばかり調べたことがあるので、今後の方針を述べておきます。
3.3 調べて分かったこと
(a) 電線を埋設するときの規則
調べたところ、電線を埋設して敷設するときは、車両などが上を通るなど圧力がかかるときは1.2m以上、そうでないときは0.6m以上深く埋設しなくてはいけないそうです。
(調べるといろいろ分かるものです)
FEP管という強度に優れた電線管にアース線を収めた場合は0.3m以上の深さに緩和されるとのことです。
(また、接地線と配線は違うということで、接地線には常時多くの電流が流れているわけではないと解釈され、そうでない「配線」と分けて考えてよいのだそうです)
でもFEP管はややお高めで使いたくないし、かといって60cmも溝をほりたくもないです。
そこで思いつきました。接地極を家のすぐそばで埋めればよかったということを!
気が付かないときにはなかなか気が付かないものです。そうすれば地下にアース線を通す必要もないです。
というより、アース線は地面に接しているのに、わざわざ電線管を使用してまで地下に敷設する必要があるのかと。
おそらく多くの電気に関係する方々は、言われることもなくこのことに気づかれているのですね。 (`・ω・´)b
身をもって接地工事の経験を深めることができました。大変なことです。
(b) 壁面に接地線を敷設する
その他調べたことは壁面工事についてです。これも検索して見つけるまで時間がかかりました。
すると以下のようなサイトにたどり着きました。
この記事の「接地線(アース線)の配線」というところによると、接地線は屋外でも露出配線が可能とあります。
したがって壁面を渡ってアース線を2Fまで通すには、電線管を使わなくてもいいことになります。
しかし、念のため他にも調べてみると、電線(コード)は露出配線はダメ、ケーブルならいいとのことでした。
しかしながら、もう少し調べてみたところ、ビニル素材は一般に紫外線の被ばくに弱いとありました。(強度の強いVCTケーブルでもビニル被膜です)
これを読んだら(ケーブルでなくても)、安全のためやはり防護管に入れておいたほうがいいという結論に至りました。
(ChatGPTに聞いてみたところ、耐UVのPF管が適しているとのことでした)
Amazonで調べたところ、UVに強いPF管はあまり調べても出てきませんでした。(さらに強度のある防護管が候補に挙がりました)
そのためふつうのPF管を見てみたところ、耐用年数が20年とありました。ごく普通(?)っぽいPF管でも20年持つそうです。
それならと思い、PF管を使うという結論にたどり着きました。
いろいろ悩んだ結果、ひとまず道筋が見えました。(記事を書いているうちにミスに気が付いた)
がんばります。
4.まとめ
この記事のまとめ
- 接地工事を行った
- 60cmの接地極を追加で敷設したところ、接地抵抗は約300Ωに収まった
- 接地工事は終わっているが、よく調べたら電線管として塩ビの水道管は不適切だった(接地工事をやり直すことを決意)
- 今後の方針を画策した
以上になります。お付き合いくださりありがとうございました。
(=゚ω゚)ノ