Tanuki_Bayashin’s diary

電子工作を趣味としています。最近はラズベリーパイPicoというマイコンを使って楽しんでいます

テレビのインチサイズから縦横の長さを求める式

目次

1.はじめに

 テレビの大きさはよく画面の対角線の長さで表示されます。(インチで示されています)
例えば50V型と言えば、テレビの画面の対角線の長さが50インチであることを示しています。
ではこのとき、縦と横の長さがどれくらいなのか、知りたいと思ったことはありませんか?

今回、このTVの画面の縦と横の長さをcmで表すとき、どのような式になるのかを計算で導いてみました。

先に結果を示すと、Zがインチサイズだとすると、

 X(横幅) = 2.214Z (cm)       (9)
 Y(縦幅) = 1.245Z (cm)   (10)

であることが分かりました。
(図1はこの式より各サイズの縦と横の長さを載せています。参照してください)

図1 画面のサイズと縦と横の長さ

※サイズに○○V型とVがつくのは、ビジュアルサイズ(Visual Size)といい、正味の画面の部分のサイズを示しているのだそうです。

2.計算してみる

以下、式を導いていきます。
テレビの画面が図2のようになっているとします。このとき、対角線の長さℤがこのテレビの大きさ(32V型とか50V型など)と呼ばれているものです。

図2 テレビの画面

そして、縦と横の長さの比は最近のワイドサイズのテレビでは16:9となっていることが多いと思います。なので、横の長さを
X = 16t (cm)   (1)
縦の長さを
Y =  9t (cm)   (2)
と置くことにします。ただし、変数tはゼロより大きい実数とします。(Zもゼロより大きい実数としておきます)
このtの値がいくつになるのかが分かると、縦と横の長さもそのまま計算して導くことができます。

 さて、対角線の長さはZインチとしていたので、まずはセンチに直します。
1インチは2.54cmであるので(長さの換算値により決まっています)、Zに2.54を掛けた値がセンチにて表現した値になります。
Z’ = 2.54Z (cm) (3)

がセンチを表しています。
このとき、学校で習ったかと思いますが、三平方の定理を使うと、以下の式が導かれます。
Z’^2= X^2 + Y^2     (4)
  =(16t)^2 + (9t)^2
  =256 t^2 + 81 t^2
  =337 t^2       (5)

 したがって
Z’ = \sqrt{337} t (0<Z,t より)
  ≒ 18.358 t (cm)    (6)

これが Z’ とtの間の関係式です。Z' とtは比例の関係にあることが分かります。

ここで、計算しやすくするため、tの値を Z’ で表現することにします。
すると、
t ≒ 0.05447 Z’

このtを上の2式(1)、(2)に代入すると、
 X = 16 × 0.05447 × Z’ cm = 0.8716 Z’ (cm) (7)
 Y =  9 × 0.05447 × Z’ cm = 0.4902 Z’ (cm) (8)

となります。

ここで、
 Z’ = 2.54Z

だったことを思い出してください。この式を上の式に代入すると、
 X = 0.8716×2.54×Z = 2.214Z (cm)       (9)
 Y = 0.4902×2.54×Z = 1.245Z (cm)   (10)

であることが分かります。(ここでZ はインチで表されています)
この式が求めたかった式です。

実際にこの式に
 Z=50 (インチ)
を代入して計算してみましょう。

 X(横幅) = 2.214×50 = 110.7cm
 Y(縦幅) = 1.245×50 =  62.3cm

他にもいろいろな大きさのTVの縦と横の幅を計算したものを図1に示します。
参考にしてください。
(おわり)